バーで学んだ技術と知識、全ての出会いに感謝し、表現できたのがカクテルアワード

小林 貴史

Takafumi Kobayashi

<カクテル アワード 2010受賞>
1979年9月11日、愛知県生まれ。1998年 名古屋東急ホテル入社。当時のチーフバーテンダーに憧れバーテンダーを志す。8年半のホテル内レストラン(フレンチレストラン含む)勤務の後、念願のメインバー フォンタナ ディ トレビに4年半勤務。2011年よりBAR MON チーフバーテンダーとなり、現在に至る。
[主な受賞歴]2010年 2010 サントリー ザ・カクテル アワードでカクテル アワード 2010受賞。2010年 HBA東海支部主催TOKAIカップ優勝。

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Q1.
あなたが他のバーテンダーと違うと思う点は何ですか?それはカクテル アワード受賞にどう関係していますか?

幼少期より、好奇心は人一倍ありました。人間観察も大好きです。仕事を始めてから8年半、バーに勤務するまでの間、フレンチを含めたレストランサービスに携わることによって、料理や多言語を学び、またそれを楽しめました。今もすべての物事、理に無駄なことは一つもなく、性別、年齢、職種などにとらわれることなく、あらゆる物事の知見を広げたいという思いがあります。

バーで働き始めたのが遅かったので、素晴らしい技術を持っていらっしゃるバーテンダーさんのビデオなどを沢山見て、真似て、全く再現できず基礎から練習を繰り返しました。その結果、良い意味で自身の中に多様性と柔軟性が生まれたように思います。

バーテンダーの職に就くまでの時間と料理の知識、バーで学んだ技術と知識、それらの経験に感謝し、表現できたのがカクテル アワードでした。

茶道などにおける、静と動の洗練された日本の美しさに近づけるよう意識する

Q2.
ジャパニーズバーテンディングを追求する上で大切にしていることは何ですか?それを未来に伝えていくために重要なことは何ですか?

まずはボトルの持ち方、注ぎ方、カクテルツールの取り扱いなど、物事に対する慈しみを持つこと。茶道などにおける、静と動の洗練された日本の美しさに近づけるよう意識しています。日本の素晴らしい自然の恵みに感謝し、春夏秋冬、四季の遷ろいを感じることができるカクテルの提供、店内のしつらえを大切にしています。

世界は多様性にあふれていると思います。様々な価値観、人生観の中で、先入観にとらわれず、自分自身のアイデンティティがどのようにしたら伝わり、理解され、喜びをもたらすことができるのかを模索し、努力してチャレンジし続けることだと思います。

既存の材料でカクテルを創作することは、バーテンダーの根本的な土台を作る上で非常に重要

Q3.
時代を超えて飲み継がれるカクテルの要件は何ですか?カクテルコンペティションは今後どうあるべきですか?

レシピを見れば、細かい味のバランスは違えど誰でも作れるもの。そして材料がいつの時代でも手に入るであろうものを使用していること。日本で創作するカクテルなら、日本の文化や様式を伝える力があるものが飲み継がれるカクテルの要件ではないでしょうか。

また、自家製材料などを使用するコンペティションが増えている中で、既存の材料でカクテルを創作することは、バーテンダーの根本的な土台を作る上で非常に重要であると考えます。お客様にも投票いただけるような審査項目も作り、会場に足を運ばれる方々だけでなく、オンライン配信をしながら画面の向こうからでも投票できるような仕組みを作ると良いと思います。投票頂いた方々から抽選で景品などを用意し、コンペ演技中に技術解説などの実況をつけるのもいいですね。

カクテル アワードが世界大会まで実施されるようになることを願っています。

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