受賞を通じた出逢いは財産であり、「ありがとう」から始まる人との繋がりは広がり続けている
佐藤 章喜
Shouki Sato
<カクテル アワード 2001受賞>
1968年6月24日生まれ。神戸市出身、奄美大島育ち。ヘアースタイリスト経て、BARの扉を叩く。1988年 BARの世界へ。1996年 フリーバーテンダーとして独立。1999年 BAR BESO (バーベッソ) 開業。2000年 BESO Mary.r (ベッソ・マリアール) 開業。現在、バーテンダー歴33年、大阪・北新地にて2店舗・経営。
[主な受賞歴]2001年 2001 サントリー ザ・カクテル コンペティションでカクテル オブ ザ イヤー 2001受賞。2013年 ビーフィーターグローバルチャレンジ 日本大会優勝。国内外のカクテル・コンペティションにて、日本一5回、国際大会準優勝、国際大会出場3回。
Q1.
あなたが他のバーテンダーと違うと思う点は何ですか?それはカクテル アワード受賞にどう関係していますか?
皆さんと一緒かと思いますが、強いて言うなら情熱でしょうか。受賞後の心の第一声は「ありがとうございました」でした。家族、諸先輩方やスタッフ、応援していただいているお客様への感謝は今も変わりません。受賞を通じた色々な方々との出逢いが私の財産となりました。「ありがとう」から始まる人との繋がりは、今なお、広がり続けております。いつも通過点であり、怠れば後退。道はひとつではありません。「ありがとう」から始まる幸福感ある人生の考えかたが受賞に繋がったのだと思います。
また、カクテルコンペティションにおいて、日本人の所作や精神や型を学びました。ボトルやバースプーンなど器具の扱いは、日本の茶道や華道などに通じることを学び、シンプルで無駄のない所作や心が型となり技術となりました。迷いない仕事を行うには、星の数ほど練習・経験・行動が必要です。
準備、整理整頓、リズム、間合い、空気、精神論、至誠など、迷いない仕事を心がける
Q2.
ジャパニーズバーテンディングを追求する上で大切にしていることは何ですか?それを未来に伝えていくために重要なことは何ですか?
ジャパニーズバーテンディングは、手の表情に表れます。準備、整理整頓、リズム、間合い、空気、精神論、至誠(誠実、まごころ)など、迷いない仕事を心がけたいと思います。
時代やファッションなどと同様に形を変え、人それぞれの味蕾パレットに合わせた変化が必要
Q3.
時代を超えて飲み継がれるカクテルの要件は何ですか?カクテルコンペティションは今後どうあるべきですか?
時を超え、今なお、語り継がれ飲まれているカクテルがあります。幸せを願い子供に名前をつけるように、自身が生んだカクテルが可愛がってもらえるように、愛してもらえるようにと作り続けております。カクテルコンペも時代やファッションなどと同様に形を変え、年齢とともに嗜好が変わるように、人それぞれの味蕾パレットに合わせた変化が必要だと思います。カクテルも、複雑で多様な味わいながらシンプルな作品が生き残っています。
カクテルコンペティションは、頂点を目指す人にとっては光……憧れです。目標により人間は成長し、また挫折を味わいます。しかしそれは経験、人生の通過点です。1人で戦っているように感じますが、周りでいろいろな方が応援してくれています。歴史あるステージに立てる喜びは、感動から感謝となります。「ありがとう」の言葉の波は、人から人へと広がり幸福をもたらします。カクテル アワードのチャンピオンたちは、年齢関係なく共に戦った最高の仲間です。今では、カクテル アワードがチャンピオンたちの同窓会の場となり、楽しみな日です。
未来のチャンピオンの皆様へ…… Welcome ! Champion Team!
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