飲食に限らず、幅広い分野においてアンテナを張り、型にはまらない視点や着眼点を持つ
吉富 万洋
Kazuhiro Yoshitomi
<カクテル アワード 2013受賞>
1980年9月14日熊本県生まれ。
[主な受賞歴]2012 サントリー ザ・カクテル アワード ファイナル出場。2013 サントリー ザ・カクテル アワードでカクテル アワード 2013受賞。BEEFEATER MIXLDN 2017ジャパン ファイナル出場。その他、大会受賞歴多数。
Q1.
あなたが他のバーテンダーと違うと思う点は何ですか?それはカクテル アワード受賞にどう関係していますか?
飲食に限らず、幅広い分野においてアンテナを張り、型にはまらない視点や着眼点を持つようにしています。技術に関しては多くの大会に出場してきたこともあり、時間と研鑽をかなり積んだ自負がありますので、意識することなく体が勝手に動くという感覚です。
コミュニケーション能力と自己表現、ストーリー性を含めたプレゼンテーション
Q2.
ジャパニーズバーテンディングを追求する上で大切にしていることは何ですか?それを未来に伝えていくために重要なことは何ですか?
日本のどのサービス業にも言えることですが、やはり「おもてなし」の心ではないでしょうか。日本のバーテンディング技術は、海外でも高く評価されていますし、感性や感覚、レシピの創作に至るまでトップクラスだと思います。
その中で、更に日本人が活躍する上で必要なことはコミュニケーション能力と自己表現に尽きると思います。よって海外では技術やカクテルの創作性というよりは、ストーリー性を含めたプレゼンテーションの能力に重きを置くべきだと考えます。
日本人が大切にしてきたトラディショナルなスタイルを貫くコンペティションを継続する
Q3.
時代を超えて飲み継がれるカクテルの要件は何ですか?カクテルコンペティションは今後どうあるべきですか?
現代においては、非常に難しい問題だと考えています。昔に比べると、創作性に富んだオリジナルカクテルが生まれる今日において、大会等で誕生するカクテルは以前の「普及性」という目的ではなく、「唯一無二」という存在になりつつあるからです。
ホームメイドの素材を用い、そのバーテンダーしか作れないカクテルが増えつつある今だからこそ、逆にカクテル アワードのような大会を「クラッシック」として打ち出し、これまで日本人が大切にしてきたトラディショナルなスタイルを貫くコンペティションとして継続することも必要であると思います。基本があっての応用、先にあるツイストやアレンジは、これらの礎によるところだと思います。
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